Osaka AOR Project
>aor album review #38
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「Another Page」
CHRISTOPHER CROSS
 
(1983)

*Producer : Michael Omartian


1. No Time for Talk
2. Baby Says No
3. What Am I Supposed to Believe
4. Deal 'Em Again
5. Think of Laura
6. All Right
7. Talking in My Sleep
8. Nature of the Game
9. Long World
10. Words of Wisdom


爽やかでロマンティックなハイ・トーンと美しいメロディで、80年代前半という時代を一世風靡した“ミスター・フラミンゴ”こと、Cristopher Cross。

デビューアルバム「南から来た男(Chritopher Cross)」(1980年)がいきなり大ヒットし、グラミー賞5部門を独占したというのは今でも語られる事の多いところです。このアルバムでは、当時ワーナー・ブラザーズのハウス・プロデューサーだったMichael Omartianの全面協力と、Jay Graydon、Michael McDonald、Larry Carlton等の参加を得て、「Ride Like The Wind」「Sailing」「Say You'll Be Mine」「Never Be The Same」等のヒット曲が生まれています。この大ヒットアルバムに続く翌年の81年には、映画「ミスター・アーサー」のテーマ曲である「ニューヨーク・シティ・セレナーデ(Arthur's Theme)」も全米1位を記録し、その地位を不動のものとします。当時、街中では、ありとあらゆる所で彼の歌声が聴こえてきましたので、今でも彼の歌声を聴くと、80年代の空気感が甦る・・・という人って結構多いですよねぇ(笑)。

そんな順風満帆な彼が満を持して発表したのが、本作「Another Page」(1983年)という事になります。

本作に参加しているミュージシャンを先に列挙しますと、(Produce)Michael Omartian、(Key)Michael Omartian、Rob Meurer、(G)Christopher Cross、Jay Graydon、Steve Lukather、(B)Abraham Laboriel、Mike Porcaro、(Ds)Jeff Porcaro、Steve Gadd、(Perc)Paulinho Da Costa、Lenny Castro、(Vo)Michael McDonald、Carl Wilson、Karla Bonoff、Art Garfunkel、Don Henley、J.D.Souther、(Sax)Tom Scott、Ernie Watts etc.となっていて、前作にも増して強力な布陣となっています。

それにしても、ボーカル陣のメンツが妙にビックですねぇ。セッション・マンというより、1アーティストとしての名だたる人ばかりですよねぇ。あと、83年という時代背景でのMichael Omartianプロデュース作品という事で、全体的にキーボード構成のとても綺麗なサウンドとなっていて、爽やかで聴きやすい感じです。

さて、本作は、イントロのキラキラ・シンセ音が印象的な@「No Time For Talk」で幕を開けます。このイントロを聴くだけで、気分は80年代にタイム・スリップしてしまいますよね(笑)。メロディも爽やか&キャッチーですし、典型的な80'sサウンドが堪能できます。Michael McDonaldのバックボーカルも印象的ですし、Steve Gaddが印象的なドラムを叩いて、いい仕事をしてます。
B「What Am I Supposed To Believe」は、Karla Bonoffとのデュエットが印象的なバラード曲で、この曲が好きだ・・・という人も、ほんと多いと思います。
C「Deal 'em Again」は、親しみやすいメロディが印象的な軽やかなミディアム曲です。この曲では、Jay Graydonが中間部とエンディング部でギター・ソロを披露していて、なかなかノリのいい曲です。

D「Think Of Laura」は、アコースティック・ギターとピアノの響きが耳に優しいバラード曲で、アメリカのTV番組「ジェネラル・ホスピタル」の挿入曲のようです。
次のE「All Right」は、このアルバムからの第一弾シングルで一番のヒット曲。爽やかで、キャッチーなメロディも印象的ですし、当時はこの曲は街中に溢れてましたよねぇ(笑)。Michael McDonaldのコーラスに、Steve Lukatherのギター・ソロもカッコいいです。もちろん、ドラムはJeff Porcaroです。
今でも、Christopher CrossはLiveのアンコールで、この曲をよく演奏していますので、彼自身も気に入ってるようです。

その他、アルバム後半は、アコースティック・ギターを中心に据えた優しい曲が続きますが、アルバム最後には、I「Words Of Wisdom」というミディアム佳曲で締めくくられます。この曲の中間部で聴かれるChristopher Cross自身が弾くギター・ソロもなかなかいい雰囲気ですよねぇ。
Liveでは、ボーカルに加えて、ギター・パートは自分自身で全てをこなすChristopher Crossだけあって、この人はギターの力量も相当のものです。Liveでは、Jay Graydonのギター・ソロ・パートなどもそのまんま完コピしてましたから、それだけでも、腕前はかなりのものですよねぇ。

「Another Page」のアルバム・ジャケットは、デビューアルバムを踏襲して、表面はフラミンゴ写真です。ところが、ところが・・・裏面については、さすがにそろそろ自らの姿を世間に出そうと一念発起!?したのか、自分自身と女性とのツーショットになっています(笑)。ただ、この写真、なぜかバランスが悪くて、いけてないですよねぇー(爆)。(今となっては、女性の服装・髪形とかが、かなり80'sしてて懐かしい感じはします)

いずれにしましても、最近でも毎年のように来日公演をしているChristopher Crossですが、80年代のような精彩がなくなってるのも事実で、何とか、また80年代のような爽やかな風を吹かせてもらいたいものですね。


(2007/01/02 up by Jeffrey)


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